研究実績の概要 |
老人性眼瞼下垂手術時に切除した眼瞼皮膚組織2例より、ヒト真皮由来多能性幹細胞を採取した。組織を細切後、デイスパーゼ(1000U/ml)にて処理し、表皮組織を除去後、真皮組織を1~2mm角に細切し、0.5%コラゲナーゼ処理37℃で1時間反応させた。2度の遠心操作、洗浄後、40μmセルストレナーを通して濾過し、細胞浮遊液を得た。これをsphere形成培地(DMEM/F12, 40ng/m/ FGF,20ng/ml EGF)で培養後、形成されたsphereを培地ごと回収、遠心分離後に培地を除去した。このsphereをトリプシン処理、あるいはピペッテイングにてsphereの解離を試みたところ、多少の解離はあったものの、ほとんど分離しなかった。そのため、解離操作は行なわず、sphereをそのまま増殖培地(DMEM/F12, 10%FBS, または20%40ng/m/ FGF,20ng/ml EGF)にて増殖させた。sphereは接着し、10%FBS, 20%FBSのいずれの条件下でもすみやかに増殖し、20%FBS添加培地の方がより効率よく増殖した。1回の継代後、遠心にて細胞を回収し、再びsphere培地に戻し、再sphre化した。この細胞をin vivoへと移植する前に、多分化能について確認した。RT-PCRにより真皮幹細胞マーカーを確認したところ、発現が確認できた。しかし、脂肪分化、骨分化とも、分化効率が悪かった。
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