研究実績の概要 |
手術時に得られた、皮膚検体より、浮遊培養にてヒト真皮由来多能性幹細胞(sphere)を採取した。浮遊培養では継代増殖させることができなかったため、増殖培地(B27添加DMEM/F12, 10%FBS, 20ng/ml EGF, 40ng/ml FGF)にて接着培養にて継代増殖させた。継代増殖後、ふたたび浮遊培養にて再sphere化した。すべての細胞で神経、骨、脂肪への多分化能が確認され、RT-PCRで幹細胞マーカーが確認された。増殖させた細胞は液体窒素で保存し、真皮由来多能性幹細胞のバンクを作成した。真皮由来多能性幹細胞をコラーゲンスポンジ上で培養し(B27添加DMEM/F12, 10%FBS, 20ng/ml EGF, 40ng/ml FGF)、ヌードマウスの背部への移植実験を行ったところ、皮膚付属器官である脂腺組織への分化傾向がみられ,通常の線維芽細胞をスポンジで培養したものと比較すると、より厚い真皮様組織が形成された。
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