平成27年度は、下記の成果を得た。(1)lys-EGFP マウスと、miRNA 遺伝子欠損(KO)マウスと交配を行い、miR KO/lys-EGFP マウスを作製した。(2)生体イメージング解析装置(IVIS)による in vivo イメージング用いて、上記作製したマウスの皮膚創傷部における炎症細胞の動態を解析した。結果、miRNA KO マウスでは、炎症早期から創部への炎症細胞の集積に遅延を認めた。そしてin vitro 解析では、miR KO/lys-EGFP マウスから採取した好中球の解析を行い、miRNAのターゲットと予想される遺伝子発現の変化を認めた。(3)共焦点顕微鏡を用いてタイムラプス動画を作成し、マウスから採取した好中球の形態学的・運動機能学的な解析(トラッキング解析)法を確立した。結果、miRNA KO マウスから採取した好中球では、コントロールと比べ、明らかな形態変化を認め、さらに遊走能や貪食能にも変化を認めた。(4)超解像顕微鏡を用いた細胞内のアクチンや目的タンパクの発現部位の解析を行った。しかし、目的タンパクの蛍光染色に斑が生じてしまい比較解析を行える状態では無かった。今後は染色法の見直しと試薬の調整を行い、細胞観察技術の確立を目指す。
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