静脈奇形病変に対する新規治療法の最適化および基礎的な検討を行った。この治療法は、全身毒性のない加温された生理食塩水を静脈奇形病変内に注入し、熱作用によって病変の血管内皮細胞を破壊する。In vitroにおいて、繊維芽細胞、血管内皮細胞の最高致死温度はともに50℃以上であったが、最低致死温度の決定には40℃から50℃の範囲で微細な温度調整が必要であった。In Vivoにおいて用いた家兎耳介の静脈奇形モデルは温度測定方法の最適化が必要であった。注入する生理食塩水の温度を微細に管理、調整することにより、周囲組織への損傷を最小限に抑えつつ、血管内皮細胞のみを破壊する新たな治療法の可能性が示唆された。
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