研究実績の概要 |
昨年度確立した健常およびストレプトゾトシン(STZ)誘導1型糖尿病マウスより脂肪組織由来幹細胞(脂肪幹細胞)を調製する方法を用いて、それぞれ脂肪幹細胞の調製したのち10%FBSを加えたDMEMで培養を行い、以下の実験に供した。 昨年度の結果より脂肪幹細胞より血管内皮細胞あるいは血管内皮前駆細胞へのin vitroにおける分化誘導は極めて困難であることが判っている。このことから脂肪幹細胞を直接移植により投与してそのサイトカイン分泌などトロフィック効果により血管再生を促進出来ないか確認するためSVFおよび脂肪幹細胞より分泌される増殖因子(PDGF-AB, HGF, IGF, TGF-beta, VEGF) の解析をELISA法にて行った。この結果、SVF、脂肪幹細胞ともにPDGFの分泌は見られなかったが、SVF及び脂肪幹細胞でHGF, IGF, VEGF、TGF-B1の分泌が確認された。 以上の事実よりマウス由来の脂肪幹細胞は、サイトカインの分泌により血管・組織再生効果が見込める可能性が示唆された。
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