研究課題
重敗血症患者の多くは多臓器不全、DICに至り、現在でも死亡率は30%と依然として高い。そのため敗血症治療においては、抗生剤のような敗血症の治療だけではなく、過剰な炎症が引き起こす多臓器不全やDICに至る病態の解明と効果的な治療法の解明が切望されている。多臓器不全に至る過程には炎症部位の血管内皮細胞に白血球が接着・遊走し、臓器への過剰な浸潤が認められることが原因と考えられている。我々は炎症時に白血球が血管内皮細胞に接着、遊走、浸潤する過程において、従来知られていたインテグリンリガンド(ICAM-1、VCAM-1)だけではなく、血管内皮細胞上に発現しているTMと白血球beta2インテグリンが結合していることを見いだした。さらにTMの細胞外ドメインであるセリン・スレオニンリッチドメインが白血球beta2インテグリン(CD11a/CD18, CD11b/CD18)の結合に必須であることを同定した。この発見は炎症時に白血球が血管内皮細胞上に発現しているTMとICAM-1などインテグリンリガンドと協調的に作用し、白血球の接着、遊走、浸潤の過程に関与していることを示唆している。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
Biochem Biophys Res Commun.
巻: S0006-291X(16) ページ: 30502-2
10.1016/j.bbrc.2016.04.007.