研究実績の概要 |
平成29年度は、NCLERの吸入の肺傷害や感染症、炎症性反応に対する効果について調べた。また、NCLER吸入療法が副作用を誘発せずに炎症の消退をもたらすことができるかを評価した。 具体的には、CD-1マウス(雄、週齢8-12、体重約25g)肺内に、セボフルランによる短時間麻酔下に、肺上皮傷害性緑膿菌株PA103浮遊液(sublethal dose, 1x10^6 CFU in PBS)をインスティレーション用鈍針にて投与して肺炎を誘導し、一定時間後にNCLERリポソームをrodent用の吸入器(Inhalation Tower ELS0113, Buxco Research Systems、USA)にて吸入させた。24~72時間の体温や活動性を測定し、安楽死させた後、肺の障害度を生理学的(肺内水分量)、病理学的(組織像)、生化学的(好中球エステラーゼ活性、サイトカイン濃度)、細菌学的(細菌数、菌血症)に評価を加えた。 コントロール群には、レゾルビンを含有しないemptyリポソーム吸入を用いた。NCLERリポソームの吸入が細菌感染を悪化させずに炎症消退を誘導できるかを総合的に判定した。
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