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2017 年度 実績報告書

心筋梗塞後の心筋リモデリングにおける炎症性サイトカインIL17の役割

研究課題

研究課題/領域番号 26861538
研究機関久留米大学

研究代表者

佐々木 知子  久留米大学, 医学部, 助教 (30597430)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードサイトカイン / 心筋梗塞 / 分子生物学 / IL17
研究実績の概要

心筋梗塞後に発症する心破裂は致死性の合併症であり、梗塞心筋における炎症、出血や細胞間質の破綻が梗塞後の心破裂に重要とされている。しかしながら、梗塞後心破裂の機序の詳細については不明な点が多い。本研究では梗塞後心破裂における炎症性サイトカインIL17の役割を検討した。C57BL6バックグラウンドの野生型マウス(WT)とIL17-KOマウス(全身性ノックアウト)を使用し、心筋梗塞モデルを作成後、以下の評価を行った。梗塞後IL17-KOマウスは野生型マウスと比較し、死亡率の著明な減少を認め、梗塞後心破裂発症を有意に抑制していた。IL17-KOマウスを用いた梗塞後(3日目)の表現型の解析ではTTC染色による梗塞エリア評価、血圧、心エコー、左室重量計測による評価を行った。いずれも梗塞後急性期は野生型マウスとIL17-KOマウスで有意な差は認めなかった。組織学的評価では好中球(Ly6G)、マクロファージ(Iba1)の組織免疫染色を行った。IL17-KOマウスはWTマウスに比べ、心筋への炎症細胞浸潤が抑制されていた。分子生物学的評価ではマイクロアレイ解析やreal-time PCRで評価し、細胞外マトリックス分解に関わる遺伝子 (MMP2, MMP9)の発現がIL17-KOマウスで抑制されていた。また、IL17-KOマウスでは炎症/ストレスで誘導されるCOX2の心筋での発現が抑制されていた。IL17のレセプターであるIL17ra, IL17rcの心筋での発現をRT-PCRで確認したところ、心筋梗塞後発現値の上昇を認めた。このことから、IL-17KOマウスはWTマウスと比較し、 心筋梗塞後の心破裂発症が抑制されており、その機序として炎症や細胞外マトリックスに関わる遺伝子の関与が示唆された。 炎症性サイトカインやケモカイン、その他炎症性物質の関与に関しては引き続き解析を継続していく。

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公開日: 2018-12-17  

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