本研究課題では、インクレチンであるGLP-1応答を活用した生活習慣病予防の提唱を目指し、妊娠期の栄養状態が母児のGLP-1R応答感受性や胎児の生活習慣病発症素因形成に与える影響について明らかにした。特に、GLP-1R応答の惹起には、安全性が確認されている生体由来の骨基質蛋白質である非(低)カルボキシル化オステオカルシン(GluOC)を用いることで実験を行った。 研究の結果から、GluOCがGLP-1応答を介して妊娠母体の糖脂質代謝を正常化し、世代を越えた糖脂質代謝異常を回避させる可能性が示唆され、GluOCによる次世代への健康障害伝播を阻止する予防医学の基盤確立に貢献できる研究成果であった。
|