安全な温度刺激装置としてサーマルグリル刺激装置の開発を手がけた。温熱が提示されるペルティエ電極と、冷熱が提示されるペルティエ電極を交互に5枚並列させ、温熱電極の温度調整によって温熱感覚と疼痛感覚を提示し分けることができた。皮膚への侵襲は一切認められなかった。 さらに温熱刺激装置(Medoc社製)を用い、顎口腔顔面領域、手の甲、脛の三箇所に温熱刺激を用いたAδ線維由来の疼痛刺激を提示し、事象関連電位の測定を行った。結果、手や足部への疼痛刺激は刺激開始から早々に疼痛感覚を生じなくなるのに対し、顎口腔顔面領域は慣れによる感覚鈍麻を惹起しにくいことが判明した。
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