研究課題
ビスフォスフォネート(BPs)は骨吸収抑制作用が強力であることから,骨転移性の腫瘍(乳癌,前立腺癌,肺癌など),多発性骨髄腫,骨粗鬆症,骨形成不全など骨吸収亢進を伴う多くの疾患に広く応用されている.しかし,臨床応用の過程で,窒素含有BPs(NBPs)が顎骨壊死と骨露出をもたらすことが明らかとなった.有効な治療方法はなく,その治療は極めて困難である.しかし,注目すべきは顎骨にしか骨壊死が認められないという事実である.われわれは,基礎研究により,NBPsが口腔内細菌(特にLPS)に対して極めて持続的な炎症作用をもつことを見いだし,ラットの顎骨壊死モデルを開発し,これらを用いて顎骨壊死の病態解明を含め研究を続けてきた.本申請ではこれらの研究を発展させ,新たな治療薬と成りうるテリパラチドを用いた顎骨壊死の治療効果を動物実験で詳細に検証し,エビデンスを携えて臨床応用する事を目的とする.本年度はラットを用いて非脱灰標本作製に成功した.非脱灰標本を用いてテトラサイクリン,カルセインによる蛍光帯の観察に成功した.
2: おおむね順調に進展している
ラットを用いているため、はじめはラットの手術時の手際の悪さによりラットが弱ることがあり、また摂食不良により死亡することもあったが、手術手技の修練、食事形態の改善により改善傾向にある。
現在行っているラットの実験で匹数を増やし統計を取る。また、in vitroにおいてもteriparatideの作用機序について追求していく。
次年度使用額が生じた理由は、567円というわずかな金額でありこれを丁度0にできる適当な使用方法が見つからなかったため。
翌年度の計画に567円を追加した金額をできるだけ丁度の金額にできるよう適正使用を行う予定である。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件)
Oral Disease
巻: 21 ページ: 969-76
10.1111/odi.12368.
Osteoporos Int.
巻: 26 ページ: 1997-2006
10.1007/s00198-015-3096-z.