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2017 年度 実績報告書

ビスフォスフォネートによる“顎骨壊死”の病態解明・新規治療法の確立を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 26861577
研究機関九州歯科大学

研究代表者

吉賀 大午  九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (10507784)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード免疫 / BRONJ / ARONJ / MRONJ / テリパラチド / モデルラット / 骨粗鬆症
研究実績の概要

目的:本研究では,ビスホスホネート製剤による顎骨壊死に対するTPTDの効果が臨床的に言われているが、その効果をラットモデルで検討した.
結果:H-E染色を行った脱灰標本を用いて新生骨面積および壊死骨面積の測定を行った.下顎骨,大腿骨ともに,生理食塩水群では広範囲の壊死骨が骨穿孔部周囲に形成されており,穿孔部における新生骨面積は極めて小さいことが確認できた.一方,TPTD群では骨穿孔部における新生骨形成が認められ,壊死骨面積は生理食塩水群と比較して縮小していることが確認できた. 下顎骨の骨穿孔部における新生骨面積は,生理食塩水群で0.14mm2,TPTD群で2.27mm2,壊死骨面積は生理食塩水群で1.63mm2,TPTD群で0.41mm2であった.大腿骨の骨穿孔部における新生骨面積は,生理食塩水群で0.14mm2,TPTD群では1.68mm2,壊死骨面積は生理食塩水群で2.52mm2,TPTD群で1.01mm2であった.両群を比較するとTPTD群では有意な新生骨面積の増加および壊死骨面積の減少が確認できた.calcein二重標識による骨形態計測を行った.下顎骨,大腿骨ともにTPTD群では生理食塩水群と比較して,より鮮明なcalcein二重標識線を確認することができた.
calcein染色により動的パラメータである二重標識の骨幅を計測した.下顎骨の生理食塩水群では5.31μm,TPTD群では32.90μmであった.大腿骨の生理食塩水群では5.14μm,TPTD群では29.25μmであった.染色された二重標識の幅を比較すると, TPTD群では生理食塩水群と比較して高値を示し,この差は統計学的に有意であった.
結論:TPTD投与により壊死骨面積の減少, 新生骨面積の増加,破骨細胞数の増加が認められ,BRONへの治療効果が認められた.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Sprouty2 is involved in the control of osteoblast proliferation and differentiation through the FGF and BMP signaling pathways2017

    • 著者名/発表者名
      Taketomi Takaharu、Onimura Tomohiro、Yoshiga Daigo、Muratsu Daichi、Sanui Terukazu、Fukuda Takao、Kusukawa Jingo、Nakamura Seiji
    • 雑誌名

      Cell Biology International

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1002/cbin.10876

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] BRONJ モデルラットに おける遺伝子組み換えヒト副甲状腺ホルモン(Teriparatide)による治療効果に関する研究2018

    • 著者名/発表者名
      吉賀大午
    • 学会等名
      第27回日本有病者歯科医療学会総会
  • [学会発表] 骨吸収抑制剤関連顎骨壊死(ARONJ)に対するテリパラチドの治療効果に関する 多施設共同後ろ向き観察研究2018

    • 著者名/発表者名
      森下廣太
    • 学会等名
      第72回日本口腔科学会総会
  • [学会発表] MRONJ モデルラットを用いた MRONJ への Teriparatide の治療効果に関する研究2017

    • 著者名/発表者名
      池田浩之
    • 学会等名
      第71回日本口腔科学会総会
  • [学会発表] :M1 マクロファージ分化誘導モデルにおけるビスフォスフォネートの影響2017

    • 著者名/発表者名
      金子純也
    • 学会等名
      第71回日本口腔科学会総会

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公開日: 2018-12-17   更新日: 2019-12-27  

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