研究課題
歯科用充填材料による象牙質への効果について追加的な検証を行った。実験の遂行についてはおおむね計画に沿って行った。教室員の協力を得て行った研究との比較では、研究者ごとの違いがないことが推定され、酸性度および反応の形態学的な結果については再現性が高い事が示唆された。プラズマ発光分光分析(ICP-AES)の特長は、多種のイオンについて濃度を同時測定できることにある。この機器を使用した分析方法では、そのものの使用もさることながら、その前準備段階での精密な手技と操作が重要である。その点を踏まえると、前準備および測定工程を含めた分析工程を外部委託することにより、研究を効率良く進める事ができるものと考える。さて、本研究ではICP-AESにより、溶液内へのイオン放出を測定した。しかしながら酸性度測定の安定性に比べて、ICP-AESによる濃度分析ではイオンの種類によって安定性に違いがあるように見受けられたため、測定段階周りの手技の安定性に改善が必要であった。歯科材料の経時的なフッ素イオン徐放動態についてはICP-AESではなく、イオンプローブを用いて電気的に測定した。規則的な放出動態を示すことを認めており、今後追加検証を行い公開したいと考えている。なお、イオンプローブによる測定は、再現性が高く安定した測定を行うことが可能であった。本研究の中で得られた知見の公開については、速やかにとりまとめたうえで、公開したいと考えている。
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