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2014 年度 実施状況報告書

マイクロCTを用いたフロアブルコンポジットレジンの重合収縮挙動の分析

研究課題

研究課題/領域番号 26861611
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

武村 幸彦  神奈川歯科大学, 歯学部, 特任講師 (80573584)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードフロアブルレジン / マイクロCT / 3D分析 / 重合収縮 / 収縮ベクトル / フロー
研究実績の概要

マイクロCTを用いたフロアブルコンポジットレジンの重合収縮挙動の分析を評価した結果,以下の所見を得た。
フロアブルレジンの重合前後の画像間の形態変化をマイクロCTを用いて差分抽出し,拘束 (接着) 条件下での収縮挙動の評価は、自由解放面では顕著なコンポジットレジンの収縮がおこっているものの,窩底部では接着界面の間隙形成は見られなかった。一方,側壁では接着部位と剥離部位が混在しており自由解放面に近い部分でより大きな間隙形成が観察された。
フロアブルレジンの無機質フィラー量の測定は,示差熱天秤(DTG-60H:SIMADZU)を用い,室温から800℃加熱までの減量を求め,フィラー含有量を100-減量(wt%)として算出することができた。
窩壁の接着条件を変え拘束条件の違いによる収縮挙動を比較し評価することができた。3種接着条件を設定,Group A:全面接着;内面を接着性シランカップリング剤(Clearfil Ceramic Primer:Kuraray Medical)にて処理,Group B:全面非接着;内面をF系界面活性剤(10F2S-3I :F(CF2)10-(CH2)2-Si(NCO)3 )にて処理,Group C:側壁のみの接着;側壁に接着性シランカップリング剤塗布,窩底部に10F2S-3I塗布。自由解放面の収縮量は,Group Aが最も大きく,Group B,Cに対して有意に大きな値が示さた。また,側壁の間隙形成量は,非接着条件のGroup Bが最も大きく,各群間で有意差が認められた。さらに,窩底部では,Group CがGroup A,Bに対して有意に大きな値の間隙形成が評価された。Group A, BおよびCの総収縮量には統計学的な差はなかった。
マイクロCT画像分析により、収縮挙動を評価することは可能であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画通り,フロアブルレジンの重合前後の画像間の形態変化をマイクロCTを用いて差分抽出し,拘束条件下で収縮挙動を評価することができた。
また,フロアブルレジンのフィラーの測定,重合収縮量の測定といった基本的特性の評価を行い,マイクロCTを用いた非拘束条件下での収縮挙動を測定し,拘束条件下での収縮挙動と比較し評価することができた。

今後の研究の推進方策

今後の研究では,窩洞内各部での収縮ベクトル(量と方向)をレジン内に混入させた気泡の挙動解析を行うことにより評価し,気泡内の条件(①空気(酸素存在下)②窒素)を変えることで収縮ベクトルおよび気泡の形態変化(膨縮)を評価する。
マーカーの挙動および窩壁適合性の関係を比較し収縮挙動をより詳細に評価する。

次年度使用額が生じた理由

マイクロCT解析の工夫により,解析工程の簡略化を可能にした。そのため今年度の収縮挙動解析には材料の使用を最小限にとどめることができた。

次年度使用額の使用計画

気泡マーカーを用いた収縮挙動の解析を多方面から行うために,材料および解析ソフトに使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Three-dimensional X-ray micro-computed tomography analysis of polymerization shrinkage vectors in flowable composite2014

    • 著者名/発表者名
      Yukihiko TAKEMURA, Koji HANAOKA, Ryota KAWAMATA, Takashi SAKURAI, Toshio TERANAKA
    • 雑誌名

      DENTAL Materials Journal

      巻: 33 ページ: 476-483

    • DOI

      10.4012/dmj.2013-288

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] フロアブルレジンの重合収縮と窩壁適合性-窩洞形態の違いによる重合収縮挙動-2014

    • 著者名/発表者名
      武村幸彦,川股亮太,杉山弘起,櫻井孝,花岡孝治
    • 学会等名
      2014年度春季学会(第141回)日本歯科保存学会
    • 発表場所
      山形(山形テルサ)
    • 年月日
      2014-10-30 – 2014-10-31
  • [学会発表] 歯科用ジルコニアの表面処理に関する研究-シリカ改良型サンドブラスト処理による表面の変化-2014

    • 著者名/発表者名
      岡田周策,飯塚純子,松島大,武村幸彦,杉崎新一郎,向井義晴
    • 学会等名
      2014年度春季学会(第141回)日本歯科保存学会
    • 発表場所
      山形(山形テルサ)
    • 年月日
      2014-10-30 – 2014-10-31

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公開日: 2016-06-01  

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