患者の主観的な感覚である痛みを、術者がより適切に理解することで、的確な診断が可能となる。本研究では、客観的な痛み評価法の構築を目的として、口腔内の「痛み」を「機能的近赤外線分光法(fNIRS)」と「心電図電位変動の周波数解析」から評価した。 fNIRSを用い、口腔内への実験的痛み刺激による前頭前野の血流動態を測定したところ、刺激を負荷することで、前頭前野の血流量の減少が確認された。また、刺激を負荷した際の痛みの程度を、心電計と痛み解析ソフトを用い心電図電位変動をウェーブレット解析する方法では、主観的評価であるVAS値と相関性を有しており、痛みを数値化できることが明らかになった。
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