研究課題
本年度は、カーボンナノ物資のひとつであるカーボンナノホーン(CNHs)の骨形成メカニズムをマクロファージに対する反応とともに明らかにした。さらにCNHsをインプラントに使用される二酸化チタン(TiO2)に表面処理する条件を検索した。また、骨形成ペプチドDWIVAをCNHsに修飾し、その効果を評価した。1. CNHsのマクロファージと骨髄間質細胞(hMSCs)への影響評価:マクロファージとhMSCを共培養し、CNHsを添加したところ、ALP活性が促進された。これにより、CNHsはマクロファージを介して骨形成を促進することが示唆された。2. CNHsのインプラントへの応用:CNHsを表面に修飾した酸化チタン(CNH-TiO2)を開発した。CNH-TiO2上では骨芽細胞の増殖が促進された。また、骨髄腔内に埋入したところ、骨とCNHsが近接しており、骨との適合性が示された。3. 骨形成ペプチド修飾CNHsの開発:骨誘導タンパク(BMP-2)の一部である骨形成ペプチド(DWIVA)をCNHsに化学結合させた骨形成ペプチド修飾CNHs(BMpep-CNHs)を開発した。BMPep-CNHsはペプチド単独と比較し、オステオポンチンが有意に上昇した。以上の結果より、骨形成ペプチド修飾CNHsを表面に付与したインプラントへの応用が可能となった。今後はさらに条件を検討し、長期にわたる生体反応を評価したうえで臨床への応用を考えている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
ANGEWANDTE CHEMIE-INTERNATIONAL EDITION
巻: 56 ページ: 3014-3019
7.DOI 10.1002/anie.201700078
Nanoscale
巻: 8 ページ: 14514-14522
10.1039/C6NR02756C