研究実績の概要 |
接着ブリッジの生存率低下の主な要因として補綴物の脱離があげられる。そのメカニズムは咀嚼力など機能力がフレームに作用した際にフレームが変形し、接着界面に剥離力が生じることによるとされている。過去の報告から、イットリア部分安定化ジルコニア(Y-TZP)を用いて作製した接着ブリッジは,金属のものと比較して有意に変形を抑制可能であることや,歯質切削量を軽減可能であるなど、良好な結果を得ている。そこで、本研究は、接着ブリッジの予後向上を目指し、機械強度が高いセリア安定型ジルコニア/アルミナナノ複合体(Ce-TZP/A l)およびY-TZPを用いて補綴装置を作製する際のフレームデザインの最適化を行うことを目的とした。平成26年度は研究の第一段階として有限要素解析を用いて機能時に、フレーム内部に発生する応力の検討を行い、変形を抑制するフレームデザインを検討することとした。ヒト乾燥頭蓋骨の上顎中切歯から犬歯までのCTデータから側切歯部データを削除した後、3Dプリンタで模型を作製し、接着ブリッジの形成後、模型上でフレーム厚みの違い(0.8㎜厚,0.5㎜厚,0.3㎜厚)、支台歯数の違い(2リテーナー,1リテーナー)のフレームを作製した。側切歯データを削除したCTデータと、形成を施した模型のCTデータ、フレームのCTデータ5つを組み合わせ各要素のSTLデータを基に解析モデルの作製を行った。その後、歯軸に対して斜め45度方向からポンテック中央部に前歯部最大咬合力を想定した200Nを荷重し、その際のフレーム内部応力分布を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト乾燥頭蓋骨の上顎中切歯から犬歯までのCTデータから側切歯部データを削除した後、3Dプリンタで模型を作製し、接着ブリッジの形成後、模型上でフレーム厚みの違い(0.8㎜厚,0.5㎜厚,0.3㎜厚)、支台歯数の違い(2リテーナー,1リテーナー)のフレームを作製した。側切歯データを削除したCTデータと、形成を施した模型のCTデータ、フレームのCTデータ5つを組み合わせ各要素のSTLデータを基に解析モデルの作製を行った。その後、歯軸に対して斜め45度方向からポンテック中央部に前歯部最大咬合力を想定した200Nを荷重し、その際のフレーム内部応力分布を検討した。フレーム厚みの違いによるフレーム内部応力分布の検討は終了し、現在は支台歯数の違いによるレーム内部応力分布の検討を行っているところである。
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