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2016 年度 実績報告書

欠損補綴と食事指導が高齢者の栄養状態に与える影響-バイオマーカーによる評価ー

研究課題

研究課題/領域番号 26861625
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

駒ヶ嶺 友梨子  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50613692)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード食事指導 / 栄養 / 欠損補綴 / 全部床義歯 / 無歯顎
研究実績の概要

近年の研究により,無歯顎高齢者の栄養素摂取状態改善には,全部床義歯新製に加えて栄養士による食事指導を行うことの必要性が明らかになっている.
しかし,すべての無歯顎患者に対して栄養士が食事指導を行うことは,歯科臨床の中では困難ある.そこで我々は,歯科医師も応用可能なパンフレットを用いた簡便な食事指導の効果を検討することを目的に無作為化比較臨床試験を行った.
参加者を無作為に義歯新製+食事指導群と義歯新製群の2群に割り付け,すべての参加者に対して通常の全部床義歯を製作し,さらに,義歯新製+食事指導群には,『高齢者向け食事バランスガイド』 (農林水産省発行)を用いた指導,また義歯新製群には.ダミー指導として義歯のケアに関する指導を行った.指導時期は,試適および新義歯装着時の計2回とした.アウトカムは,簡易型自記式食事歴質問票(BDHQ)から得られた栄養素,食品摂取量と血液検査から得られた抗酸化能として,サンプルサイズは60名で,ドロップアウトを考慮して,全部床義歯新製が必要な上下無歯顎者70名を本研究の参加者とした.研究終了までに8名がドロップアウトとなり,本研究全ての過程を終了した62名の結果を解析した.
義歯新製群と比較して義歯新製+食事指導群のタンパク質摂取量が有意に多かった.その他,ミネラル類,ビタミン類の摂取量も同様に義歯新製+食事指導群が有意に多かった.また,義歯新製+食事指導群は,肉類,油脂類,調味料の摂取量が有意に多かった.また,抗酸化能については有為な差はみとめれなかった.
本研究では,無歯顎高齢者の栄養素摂取状態を改善するためには,全部床義歯新製により咀嚼能力を改善するのみでなく,食事指導を行うことによる食習慣の変容が重要であり,栄養士による食事指導だけでなく,歯科医師による簡便な食事指導も食習慣の変容に有効な手法であると明らかとなった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Combined effect of new complete dentures and simple dietary advice on nutritional status in edentulous patients: study protocol for a randomized controlled trial.2016

    • 著者名/発表者名
      Komagamine Y, Kanazawa M, Iwaki M, Jo A, Suzuki H, Amagai N, Minakuchi S.
    • 雑誌名

      Trials

      巻: 17 ページ: -

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 全部床義歯新製と簡便な栄養指導が無歯顎高齢者の 栄養素摂取と咀嚼能力に与える影響2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木啓之,金澤 学, 天海徳子,駒ヶ嶺友梨子, 岩城麻衣子, 城 彩実,水口俊介
    • 学会等名
      日本補綴歯科学会第126回学術大会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜(神奈川,横浜)
    • 年月日
      2017-06-30 – 2017-07-02
  • [学会発表] 全部床義歯新製に伴う歯科医師による簡便な食事指導が 無歯顎高齢者の栄養素摂取量に与える影響2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木啓之,金澤 学,駒ヶ嶺友梨子,岩城麻衣子*, 城 彩実,天海徳子,水口俊介
    • 学会等名
      第17回日本栄養・食糧学会
    • 発表場所
      沖縄コンベンションセンター(沖縄,宜野湾)
    • 年月日
      2017-05-19 – 2017-05-21
  • [学会発表] 全部床義歯製作時の簡便な食事指導の効果-無作為化臨床試験プロトコル-2016

    • 著者名/発表者名
      鈴木 啓之,金澤 学, 駒ヶ嶺 友梨子,岩城 麻衣子,城 彩実, 天海 徳子,水口 俊介
    • 学会等名
      日本補綴歯科学会第125回学術大会
    • 発表場所
      石川県立音楽堂,ANAクラウンプラザホテル(石川,金沢)
    • 年月日
      2016-07-08 – 2016-07-10
  • [学会発表] Effect of New Removable Dentures on Foods and Nutrients Intakes2016

    • 著者名/発表者名
      Y. Komagamine, M. Kanazawa, H. Suzuki, N. Amagai, S. Minakuchi
    • 学会等名
      94th General Session & Exhibition of the IADR
    • 発表場所
      COEX Convention Center(Seoul, Republic of Korea)
    • 年月日
      2016-06-22 – 2016-06-25
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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