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2014 年度 実施状況報告書

レーザー積層造形法の歯科補綴装置への応用の評価と実用化

研究課題

研究課題/領域番号 26861627
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

高市 敦士  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (30707047)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードCAD/CAM / 積層造形 / 疲労強度
研究実績の概要

現在,義歯メタルフレームは歯科鋳造法により作製されているが,技工操作は煩雑で品質は術者の技能に依存するといった品質管理の問題点が指摘されている.そこで近年,技工操作の簡略化と品質の安定化を目指しCAD/CAM技術を用いた新たな製作プロセスが検討されている.本研究の目的は、CAD/CAM技術の一つであるレーザー積層造形法により作製したコバルトクロム合金の疲労強度と適合性の検討を行い,レーザー積層造形法が新たな義歯メタルフレームの製作プロセスとして実用可能か明らかにすることである.
平成26年度は疲労強度の検討を行った.レーザー積層造形装置(EOSINT M280)にコバルトクロム合金粉末(EOSINT MP1)を供し,積層方向に対して0度,45度,90度傾けた引張試験片およびクラスプ形状に疲労試験片を製作した.引張試験片の金属組織をSEMで観察したところ微細な結晶組織が観察され,積層方向に対して平行な断面と垂直な断面では異なる組織像であり組織学的異方性を有していることが確認された.しかしながら引張試験の結果,力学的異方性は認められたものの顕著ではなかった.いずれの試料も同組成の鋳造体より大きな0.2%耐力,引張強さを示すことが確認されレーザー積層造形体は機械的性質を向上させるのに有用なプロセスであることが明かとなった.疲労試験の結果では造形方向によって大きく異なる結果となり,鋳造体と比較して疲労強度が低下した試料も認められた.一般的に疲労強度は引張強さと相関しているため疲労強度も向上することが予想されたが,実際の強度は予想とは異なるものであり,その強度に関してはさらなる検討が必要であることが明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

疲労試験に関して当初の計画通り試料製作および試験を終え,おおむね予定通りに進展している.

今後の研究の推進方策

H27年度は新たに適合性の評価を行うととも疲労強度に関する検討も継続して行っていく.

次年度使用額が生じた理由

今回使用する試料を製作するのに費用がかなりかかるのが,想定した試験が実際に行えるか不安があったため試料数を少なめにして製作したため.

次年度使用額の使用計画

H26年度の研究成果から当初の予定通り試験が行えることが確認されたためH27年度には当初予定していた試料数を追加製作し試験を行う予定である.

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公開日: 2016-06-01  

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