研究課題/領域番号 |
26861628
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
山賀 栄次郎 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (30706875)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 無歯顎患者 / 全部床義歯 / 臨床予後因子 / 神経症傾向 / 共分散構造分析 |
研究実績の概要 |
1.実施被験者数 52人分の被験者データ(年齢,性別,口腔内環境,新旧義歯の質等)を収集した。共分散構造分析は、複雑な多変量の相関・因果関係を視覚的に表現することのできる有用で強力な統計解析方法であるが、その反面、多くの被験者を必要とする。平成26年度に収集することのできたデータは52人分であるが、平成27年度以降も多くの被験者のデータを獲得することに努める必要がある。代表者の2013年発表論文において用いられた予後因子(変数)は7つ(下顎顎堤形状など)で相関・因果関係の仮定は14つであった(相関・因果関係を1つ仮定するにあたり最低10人分のデータが必要となる)。本研究課題においては、上記論文ではまだ考慮されていなかった変数を付加するため、最終的には最低でも150人分以上のデータを得る必要がある。また、より説得力のある結果を提示するためにはそれ以上の多くのデータ(仮定1つあたり20人)を確保しなければならない。
2.全部床義歯の臨床予後因子 2015年Bostonにて開催されたIADRに参加し、全部床義歯の予後に関わる要因について、識者たちとの意見交換を行った。また、関連する発表を見聞きし、新しい情報を得た。同学会において当分野で過去に得られたデータをもとに、神経症傾向が強い上下無歯顎患者のOHRQoL(Oral Health Related Quality of Life)下位尺度の構造が一般患者のものとは異なる可能性があることを当分野大学院生が発表した。また、神経症傾向は変数として全部床義歯の臨床予後に関するモデルに組み込むことが難しいと考えられる(共分散構造分析を行っている先行研究においてもモデルには組み込まれていなかった)。神経症傾向を全部床義歯の臨床予後因子としてモデルに組み込んでいくか検討していく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標被験者数(平成26年4月~平成29年3月)300人に対し、今年度は52人分のデータを収集。 現在進行中(新義歯作製中)のものを考慮すると概ね順調であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
1.引き続き被験者の確保に努める必要性がある 2.神経症傾向を全部床義歯の臨床予後因子としてどのようにモデルに組み込んでいくか検討をしなければならない。その為に先行研究に頼るだけでなく、当分野の過去のデータを分析する必要性があると考えられる。
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