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2014 年度 実施状況報告書

在宅療養患者の咀嚼機能向上に寄与する,食支援のための簡便な食事姿勢探索法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 26861629
研究機関新潟大学

研究代表者

昆 はるか  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40447636)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード咀嚼 / 姿勢調節 / 食支援
研究実績の概要

【研究の目的】
本研究の目的は咀嚼・嚥下障害を持つ脳血管障害患者の姿勢と咀嚼嚥下様相を,モーションキャプチャなどを用いて多角的に分析し,最終的には舌圧などの簡単な計測から,各患者に最適な食事を行いやすい姿勢を得る予測式の確立を目指す.
【本年度の実施内容】
今年度の目標は,健常者を対象に体幹の傾斜角度を変化させた際に,咀嚼運動様相,筋活動,舌圧,口唇閉鎖力などがどのように変化するかを明らかにすることである.
測定条件の予備実験として,体幹の傾斜角度30°,45°,60°,90°に変化させた際の健常有歯顎者4名における咀嚼運動の変化を,モーションキャプチャ(Vicon インターリハ社製)を用いて調べた.被験食品は,当初予定していたグミゼリーから,咀嚼の進行に伴って,テクスチャーや食塊の大きさが変化しない,軟化したチューインガムを用いた.安静時において,体幹の傾斜角度がゆるくなると,オトガイと胸骨上切痕の距離が小さくなる(2点が近づく)傾向のあることが明らかになった.さらに,ナジオン(前頭鼻骨縫合部の最前点)とオトガイを結ぶ直線と,体幹の代表点,胸骨上切痕と剣状突起を結ぶ直線のなす角度は,体幹の傾斜角度が緩くなると大きくなる傾向のあることが明らかになった.体幹傾斜角度90°と比較し30°では,咀嚼運動の3次元的な運動距離が大きい傾向のあることが明らかになった.これらから,体幹傾斜角度が緩くなると,顎下部のスペースが狭くなり,物理的に咀嚼時の開口量が小さくなることが推察された.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

測定条件のための予備実験に時間がかかった.有線の筋電計を用いると,自然な機能運動を行いにくいだけでなく,線がモーションキャプチャのカメラの視野をさえぎるなど測定に困難をきたしたため,今後はワイアレスの筋電計を用いることを検討中である.
さらに嚥下をモニターする予定のピエゾセンサー出力型嚥下運動記録装置は,頭頸部の角度が小さくなると,測定が困難であることが明らかになり,嚥下のモニターについて再考中である.

今後の研究の推進方策

健常者における体幹傾斜角度と頭頸部角度が咀嚼や嚥下運動にどのような影響を与えるかを十分に明らかにした後,患者群での測定を行うことを予定しているため,27年度も引き続き健常者を対象にデータを収集する.

次年度使用額が生じた理由

モーションキャプチャの設定に時間がかかったことや,予定していた測定機器では測定が困難であることが明らかになり,被験者数を十分に増やせず謝金や,測定に使う消耗品の消費が少なかったことが理由である.

次年度使用額の使用計画

予備実験から,健常者の測定条件が決まりつつあるため,27年度は健常被験者数を増やし,その分を昨年度の繰越金で充当する.

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公開日: 2016-06-01  

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