大脳皮質の感覚運動野における神経活動性の変化は,電気刺激や炭酸水嚥下の感覚刺激によって生じ,嚥下障害のリハビリテーション手法として期待されている.本研究は複数刺激を同時に行う併用効果について検証した. 14名の健常被験者を対象とした.磁気を経頭蓋的に大脳皮質に適応すると,神経・筋の神経活動が非侵襲的に記録できる.この神経活動の変化について,電気刺激のみ,炭酸水嚥下のみ,電気刺激+炭酸水嚥下,電気刺激+水嚥下の4つの刺激条件のうち1つを10分間実施した前後で記録した.結果,刺激を併用するより,電気刺激のみを行う方が持続的な神経活動の変化を示し,嚥下障害患者に有用な治療法であることが考えられた.
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