研究課題/領域番号 |
26861632
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 幹細胞 / 血管新生 |
研究実績の概要 |
本研究計画では増殖因子を用いて血管新生を誘導することによりその生着を促し、より効果的な骨増成を試みる。本研究計画では移植体に間葉系幹細胞と血管新生能を有する増殖因子を併用するが、増殖因子は移植母床において血管新生を誘導するだけでなく、細胞への直接的影響、血管新生による血行性の細胞の供給等、骨増成の過程において多重的に影響を及ぼすことが考えられる。しかしながら血管新生が骨増生や修復過程において及ぼす影響については、未だ明らかでない点が多い。本研究計画では増殖因子が骨増成に対して、直接的、間接的に及ぼす影響とそのメカニズムを動物実験、細胞培養系を用いて、明らかにすることとした。アテロコラーゲン・スポンジ(MIGHTY, 高研社製)に増殖因子(SDF-1, PDGF, BMP-2)を添加し、1時間静置した後に8週齢ラット頭頂骨欠損に移植を行った。組織標本上における解析では移植3日目には移植体内に細胞の集積が観察され、SDF-1が最も多い細胞数を示した。7日目には移植体内に血管新生が認められるようになった。現在、骨再生能の解析のため長期サンプルの調製を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
移植細胞の初期挙動および血管新生の検出には成功しており、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
管新生と移植細胞初期挙動の解析移植初期における血管新生と移植細胞の挙動、および細胞の供給を解析するために、移植後1,3,7日後にラットを屠殺し、組織標本の作製を行う。血管の検出にはCD34抗体を用いる。移植細胞の検出には抗GFP抗体、アポトーシス細胞の検出にはTUNEL染色、細胞増殖能をPCNAおよびKi-67抗体にてそれぞれ検出を行う。 さらに細胞移植時における血管新生能を有する増殖因子の添加がその後の骨増成に及ぼす影響を解析するために移植後より長期の観察を行う。移植後4,8,12週後に動物を屠殺し、μ-CTによる解析を行った後に脱灰組織標本を作製する。μ-CTのデータをもとに解析ソフト(TRI3D/BON、ラトック社)を用いて3次元構築、骨形態計測を行う。組織標本上では形態的な解析のみならず、骨芽細胞および骨細胞中における移植細胞の割合をGFP抗体を用いて検出、解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用した動物数が予定していた物よりも少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
余剰資金は抗体購入等の解析費用に充てる予定である。
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