研究課題/領域番号 |
26861638
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
川上 滋央 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60708072)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 筋電図 / 咬筋 / インプラント / 歯科生理学 / ブラキシズム |
研究実績の概要 |
本研究では,日中の微弱な咬筋筋電図記録の障害となる,日常生活における表情筋の活動の影響を可及的に排除する記録法の確立を第一の目的としている。本年度は,交付申請書に記載した研究実施計画に基づき,日常生活において表情筋の影響が可及的に排除できる咬筋筋電図電極の貼付部位について検討を行った。結果は咬筋中央部が最も影響が少なくなり,望ましい貼付部位であることが明らかとなった。さらに,本研究で用いた高精度携帯型筋電計は従来の筋電計よりも微細な筋活動が記録できるが,弱い荷重域における荷重と筋電図活動との比例関係は明らかとなっていなかった。そのため,弱い咬合力荷重をかけた時の筋電図振幅量を計測し,荷重と筋電図振幅との関係を検討したところ,正の相関関係が認められた。以上より,本年度中に第一の目的である咬筋筋活動記録法が確立が達成できた。 続いて,第二の目的であるインプラント治療による微弱な筋活動様相の変化について検討を行うために,インプラント患者の募集および計測を行った。前述のように確立された咬筋筋電図記録法を用いて計測を行った。予備実験で得られたデータと同様,咬筋筋電図記録は非常に小さなベースラインノイズで計測ができている。 次年度は,引き続き確立された咬筋筋電図記録法を用いてインプラント患者の治療前後の筋活動記録を行う予定である。さらに,得られたデータはプログラミングされた解析ソフトでデータ解析を行い,インプラント治療が歯の咬みしめ習癖に与える影響を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の研究実施計画において,本年度は日中の微弱な咬筋筋電図記録の障害となる,日常生活における表情筋の活動の影響を可及的に排除する記録法の確立することを目的とした。研究実績の概要で記載したとおり,咬筋中央部が最も表情筋の影響を受けにくいことが明らかとなった。さらに弱い荷重を与えた際にも荷重と筋電図振幅との間には正の相関関係が存在することも明らかとなり,咬筋筋電図活動記録法を確立することができた。さらに第二の目的であるインプラント治療による微弱な筋活動様相の変化について検討を行うために,確立された筋電図活動記録法を用いて計測を進めており,おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は本年度で確立した筋電図活動記録法を用いて,引き続きインプラント患者の咬筋筋電図活動を計測していく予定である。また,プログラミングされたソフトを用いて,筋電図活動データの解析も順次実施していき,インプラント治療による微弱な筋活動様相の変化について検討を行う予定である。
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