申請者が発見した歯髄細胞に対するTNF-αのリプログラミング効果(幹細胞化)の作用メカニズムを解明し、歯髄細胞のリプログラミングに関与している因子を同定することを目的に実験を行った。 歯髄細胞を培養して、TNF-αで刺激した細胞と無処理の細胞からそれぞれ蛋白質を回収し、抗体アレイ実験を行った。抗体アレイには、TNF-αのシグナル経路に関与する因子を45種類選択し、メンブレン上に配置したAntibodyArrayを使用した。メンブレンに配置された各抗体に対する蛋白質が捕捉され、目的蛋白質と複合体を形成している蛋白質に対する標識抗体を用いることにより検出を行った。TNF-α刺激により、p38MAPKやTRAF1などの発現が亢進していた。リプログラミング効果を持たないIL-1βでの抗体アレイとの比較については現在検討中である。 なお、これまでの研究結果に関して、Journal of Oral Health and Biosciencesにて総説を発表した。
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