雄性マウスを無作為に非抜歯・固形飼料群,抜歯・固形飼料群,非抜歯・粉末飼料群,抜歯・粉末飼料群に振り分けた。抜歯・固形飼料群および抜歯・粉末飼料群では生後28週齢で上顎両側臼歯部を抜歯した。生後28週から32週まで飼育した群を短期群,生後28週から44週まで飼育した群を長期群とした。実験期間中,体重および飼料摂取量の測定を行った。実験期間終了後に行動実験として受動的回避試験を行い,学習・記憶能を評価するとともに脳の組織化学的評価およびリアルタイムPCRによる脳由来神経栄養因子のmRNA発現について検討した。その結果,長期群に置いて,抜歯・固形飼料群,抜歯・粉末飼料群では,学習・記憶能が低下した。同様に,組織化学的評価およびmRNA発現の有意な変動を認めたことから,学習・記憶能の変化には,脳由来神経栄養因子の関与が示唆された。
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