研究課題/領域番号 |
26861643
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
ラフマティア ユニアドゥイ 九州大学, 歯学研究科(研究院), 特別研究員 (30710214)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 骨補填材料 |
研究実績の概要 |
歯科領域では顎骨のボリュームが不足し、治療に難渋することが少なくない。 そこで本研究ではスタチン、炭酸アパタイトに着目して新規骨補填材料を開発することとした。スタチンとは脂質異常症の治療薬として世界中で広く使用されている薬であり、血中コレステロールを低下させるばかりでなく、骨形成に促進的に作用することが報告されている。現在、骨補填材料として臨床的に広く用いられているのは水酸アパタイト系の材料であるが、骨のリモデリングサイクルに組み込まれることなく、生体内でほとんど吸収されないという特徴がある。そこで、本研究では生体骨と組成が近い炭酸アパタイトを骨補填材料として着目し、スタチンと組み合わせることでより効果的な骨増生ができるのではないかと考えた。平成26年度では炭酸アパタイトにスタチンを含有させる調製法を開発し、スタチンを変性させずに炭酸アパタイトに組み込むことを確認した。SEMにてその表面性状や内部構造の観察を行い、形状を変化させることなくスタチンが均一に含有されていることを確認した。現在、予備実験としてラットの口腔内に骨欠損を形成するモデルの確立まで行っている。今後は今回調製した材料を骨欠損部に填入することで骨補填材料としての有用性を確認していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りにおおむね順調に進んでいると考えている。 材料の開発、材料の評価までは十分な成果を残せている。 ただ、細胞培養実験に難渋しており、現時点では有効なデータは得られていない。 一方で、当初の計画を前倒しして動物実験に着手をしており、全体としてはおおむね順調であると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策としては、実験動物による骨補填材料としての評価を行っていく方針で考えている。 また、現在調製した材料もスタチンの含有量やアパタイト粒子の大きさ、形状などについての条件を振っての検討は十分に行えていないため、より細かな条件設定も行っていく方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定よりも細胞培養実験にコストがかからなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の動物実験での群を増やす際の予算とする。
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