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2015 年度 実績報告書

イオンチャネルをターゲットとしたハイパーサーミアによる口腔乾燥症の新規治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 26861648
研究機関九州歯科大学

研究代表者

向坊 太郎  九州歯科大学, 歯学部, 助教 (50635117)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードTRPチャネル / 唾液分泌 / SOCE
研究実績の概要

口腔乾燥症の治療法としてこれまで人工唾液や薬物療法などが用いられてきたが、超高齢社会のニーズより治療効果が高くより副作用の少ない治療法の開発が求められている。そこで申請者は唾液腺に対して皮膚外から局所的温熱刺激を与えるハイパーサーミアに着目し、その臨床応用について検討してきた。これまでの研究により、唾液腺自体への直接的な温熱刺激が唾液分泌量の上昇をもたらすこと、さらに唾液腺細胞内のカルシウム濃度が温度上昇に伴い上昇し、その結果唾液分泌量が上昇することが明らかになっていた。本研究ではカルシウム上昇に関与する複数のメカニズムのうち、温度感受性の原因となるものを特定して口腔乾燥症に対する新たな治療戦略を確立することを目的とした。
細胞内カルシウム濃度上昇は副交感神経刺激後の最初のシグナルとなり唾液分泌が開始される。細胞内カルシウムの上昇は細胞内の小胞体に貯蔵されたカルシウムの放出と、続いて起きる小胞体内のカルシウムの枯渇をシグナルとした細胞外からのカルシウムの流入の2つの経路が確認されている。当初本研究では細胞外カルシウム流入経路のひとつと考えられるTPRチャネルに着目していたが、カルシウムイメージング法とタプシガーギンを使用したex vivoマウス顎下腺潅流実験から、細胞外カルシウム流入の関与が否定された。一方で細胞外カルシウムを除去した状況下でムスカリン刺激を行い、小胞体からのカルシウム放出とそれに伴う唾液分泌量に温度感受性があるかを検討したところ、37℃は25℃よりもわずかにカルシウム濃度と分泌量の増加を認めたが、有意差は認めなかった。結果として温度上昇に伴う唾液分泌量増加の原因を特定するには至らなかったが、今後、小胞体からのカルシウム放出に関わるメカニズムについてより詳細に検討する余地があると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Effects of Beverage Ingredients on Salivary Fluid Secretion with an ex Vivo Submandibular Gland Perfusion System: Tannic Acid as a Key Component for the Inhibition of Saliva Secretion.2015

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Imamura, Tetsuji Nakamoto, Taro Mukaibo, Takashi Munemasa, Yusuke Kondo, Manami Kidokoro, Chihiro Masaki, Ryuji Hosokawa
    • 雑誌名

      Effects of Beverage Ingredients on Salivary Fluid Secretion with an ex Vivo Submandibular Gland Perfusion System: Tannic Acid as a Key Component for the Inhibition of Saliva Secretion.

      巻: 5 ページ: 12-18

    • DOI

      10.4236/ojst.2015.51003

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2017-01-06  

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