研究課題/領域番号 |
26861655
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
飯田 崇 日本大学, 松戸歯学部, 助教 (50453882)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | クレンチング / fMRI / TMS |
研究実績の概要 |
不良習癖としての歯のくいしばり(クレンチング)は歯根破折等の歯科的な問題を引き起こす原因とされるが,ヒトが無意識下でこのクレンチング行為を行うメカニズムは,未だ解明されていない.臨床においては,この問題に対し,対症療法のみで対応しているのが現状であり,根本的な原因の究明とその治療方法の確立が必要とされている.本研究の最終的な無意識なクレンチングが生じる中枢でのメカニズムを脳科学の観点から解明し,クレンチングを中枢より抑制する原因療法の確立を試みることである.そこで本研究では,貼付型簡易筋電計等を用いて,不良習癖としてクレンチングを行う者,行わない者の2群に分類し以下の実験を行うことを予定している.(1)機能的核磁気共鳴装置(fMRI)を用いて運動強度を定量化したクレンチング中の脳血流量を測定し,2群間におけるクレンチング中の脳血流量を比較検討する.(2)経頭蓋磁気刺激法(TMS)を用いて下顎運動に関与する運動野における運動誘発電位を測定し2群間における運動誘発電位を比較検討する.(3)核磁気共鳴装置(MRI)を用いて脳画像を撮影し,両群間における脳の解剖学的形態の違いを検討する. これらの実験にて継続的なクレンチング行為が中枢に及ぼす影響を検討し,さらに得られた知見を参考にして, Transcranial direct current stimulation (tDCS)を用いて,無意識下でのクレンチングの回数の減少が可能であるか試みることで,無意識下に生じる病的なクレンチングを中枢より抑制する治療方法を開発することを将来的な目標とする.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度は主に核磁気共鳴装置(MRI)を用いて脳画像を撮影し,両群間における脳の解剖学的形態の検討を進めた.しかしながら両群間における有意差を認めておらず,仮説とは異なる結果となっており実験デザイン等の再検証が必要と考えられる.今後2群間への分類基準について再考を行うこと,撮影する被験者数の増加を行い,実験データの再解析が必要になると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今後は昨年度までと同様に被験者数の確保,機能的核磁気共鳴装置(fMRI),経頭蓋磁気刺激法(TMS)を用いた実験の遂行を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の実験の遂行において少しの遅れが生じているため.
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度における実験の消耗品購入として使用予定である.
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