研究課題/領域番号 |
26861660
|
研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋平 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10410052)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | PCBM / 顎骨支持型補綴 |
研究実績の概要 |
研究計画に沿ってデータの集積を行っている。腫瘍、嚢胞、外傷、先天異常などにより顎骨を切除した患者にPCBM とインプラントによる顎骨支持型補綴や、その調査を行う。調査内容は、これまでの顎義歯を中心とした顎欠損と比較し、機能評価や口腔関連QOLの評価を行っている。再建骨の継時的変化と顎骨支持型補綴の評価を行い、それぞれの関連性に関しても調査している。 被験者は鶴見大学歯学部附属病院にて腫瘍、嚢胞、外傷、先天異常などにより顎骨を切除した患者にPCBM とインプラントによる顎骨支持型補綴を行った患者を対象としている。前向き調査として20 名を申請期間内の目標としているが、現在研究開始から現在まで最終補綴の装着を行った患者はいない。これは治療開始から最終補綴までの治療過程が極めて長いためである。 前向き調査は治療過程の長さから披験者数が伸びないが、レトロスペクティブな調査も同時に開始した。過去に同様の処置を行った患者の画像データと診療記録から、再建骨の評価と上部構造の関連性を調査開始している。研究代表者より、研究の説明を行い、同意が得られた後、調査を開始している。評価項目はパノラマX線写真による画像評価、補綴的評価として咬合接触、咀嚼能力、口腔関連QOLを挙げている。パノラマX線写真による再建骨の評価を目標に解剖学的指標による骨量変化の評価法を模索している。咬合接触はデンタルプレスケールを計画していたが、販売メーカーが近く販売停止を予定しているとのことで、ブルーシリコーンにより咬合接触を判定するバイトアイに変更した。また経時的に咬合接触を観察出来るT-scanも行っている。これまでの顎義歯を中心とする義歯では咬合接触を十分に与えることができなかったが、顎骨支持型となり接触状態を改善出来ているか検討したい。咀嚼能力試験は咀嚼能力判定ガムを用いて判定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度はデータ集積の予定であった。現在もデータ集積を続けているが前向き調査は披験者数が伸びない。理由としては術前からの開始となると、再建術後の経過観察期間や、2次的に口腔前庭拡張術なども追加手術されることが多く、インプラント処置やその後のヒーリング期間を要するためである。 治療終了症例のレトロスペクティブな調査は順調にデータ収集を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
前向きデータ集積を続ける。研究を遂行する上での課題として披験者数が伸びないことである。レトロスペクティブな研究は9月頃を目安にデータ収集を終了させ、解析を進める。再建骨へのインプラント補綴の処置方針を明確にするため、「埋入本数や欠損歯数と上部構造選択」や「機能評価と患者満足度や口腔関連QOL」の関係に関して解析を行う。同時にパノラマX-P写真などを評価し、「術後の再建骨の状態」や「上部構造とインプラントンの生存率、合併症」に関しても解析を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
調査対象となる披験者が少なかったため、診査に使用するデンタルプレスケールなどの消耗品の購入額が少なかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
後ろ向きの調査を開始したので、その予後調査と解析に診査用の消耗品やデータ解析に使用する。また、本年度は調査の結果を学会などで発表する計画が有るので、出張旅費として使用する。
|