研究課題/領域番号 |
26861670
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
妻沼 有香 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (70726265)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 歯根膜幹細胞 / 免疫調節機構 |
研究実績の概要 |
間葉系幹細胞(MSC)は組織再生療法の源として注目を集めている 。近年、MSC細胞治療製剤は臨床試験が進行中であり、移植片対宿主病(GVHD)に対する治療法として効果をあげている 。ここで用いられるMSCは自己のものではないため、同種移植となる。同種の細胞を移植した際には同種免疫応答、すなわち拒絶反応が生じると考えられる。しかしながら一方で、MSC には免疫調節作用があることが知られている。申請者はこれまでに間葉系幹細胞(MSC)の特徴をもつ歯根膜由来組織幹細胞の同種移植が歯周組織再生を 顕著に促すことを見いだした。その際、拒絶反応や免疫に関するサイトカインの上昇が認められなかかったため、免疫調節機構が関与していると考えられる。しかしながら、その詳細な免疫応答メカニズムについて は不明な点も多いのが現状である。そこで、本研究では同種のMSC 移植による免疫応答メカニズム について着目し、特にヒト歯根膜由来組織幹細胞と免疫応答細胞の相互作用を明らかにすることを目的とする。 本年度はヒト歯根膜由来幹細胞と同種のヒト血球系由来T細胞の共培養系で実験を行った。これまで他の歯根膜由来幹細胞を用いた免疫応答に関する研究では、末梢血単核球が用いられる事が多かったが、本研究ではより詳細に調べるため、全血からの分離によりCD4陽性、CD8陽性、CD2陽性T細胞を回収しそれぞれ用いることとした。 その結果、CD4陽性およびCD8陽性T細胞と同種の歯根膜幹細胞との共培養系とCD2陽性T細胞と同種の歯根膜幹細胞との共培養系では培養後の細胞の減少量に違いが認められた。従って、T細胞の種類によって同種の歯根膜幹細胞に対する免疫応答に違いがあると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度は初めにどのようにMSCと免疫応答細胞の共培養が効率よくできるか、その方法の検討を行った。また全血より簡便にT細胞を分離する方法を検討した。これらの条件が整ったところで、共培養を行い興味深い結果が出てきた。しかし、当初の計画で到達すべき次世代シーケンサの解析までは行うに至っていないため、達成度はやや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究においては、歯根膜細胞由来幹細胞と免疫応答細胞の共培養を行った後、細胞よりRNA抽出を行うことを予定している。こちらを次世代シーケンサで解析することで、どのような遺伝子発現により調節機構が働いているのかをより詳細に明らかにしていく予定である。また我々は最終的にはヒトの歯根膜シートを移植することを目的としているため、この歯根膜細胞シートと免疫応答細胞との関係についても今後明らかにしていく予定である。
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