本研究では間葉系幹細胞(MSC)の特徴をもつ歯根膜由来幹細胞の同種移植を行った際、著名な炎症反応なしに歯周組織再生が促されることをイヌモデルにおいて見いだした。その際、末梢血における炎症性サイトカインの上昇が同種移植群に認められなかったため、免疫調節機構が関与していると考えられた。しかしながら、その詳細な免疫応答メカニズムについては不明な点も多いため、歯根膜由来組織幹細胞と免疫応答細胞の相互作用を明らかにすることとした。ヒト歯根膜由来幹細胞と同種のヒト血球系由来T細胞の共培養系で実験を行った結果、ヒト歯根膜由来細幹胞に免疫を調節する可能性があることが明らかとなった。
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