研究実績の概要 |
マウス骨芽細胞株(MC3T3-E1)およびヒト骨芽細胞株(SaOS-2)における Sprouty/Spredファミリー (Sprouty1, 2, 4, Spred1,2) のmRNAの発現にを RT-PCR 法および、real-time PCR 法を用いて解析したところ、MC3T3-E1 および SaOS-2 の両方においてSprouty2,4 およびSpred1,2 の発現がbFGF刺激により優位に上昇した。また、Sprouty2,4 のタンパク質の発現を western blot 法を用いて解析したところ、Sprouty2 において、MC3T3-E1 および SaOS-2 の細胞株で bFGF刺激により優位な上昇を認めた。タンパク質レベルでの Sprouty2 と Sprouty4 の発現を、ウエスタンブロット法を用いて解析した結果、SaOS-2 細胞および MC3T3-E1 細胞で、EGF ならびに bFGF 添加時に Sprouty2 と 4 の発現を確認した。両骨芽細胞において、Sprouty2 の発現は EGF 添加時より bFGF 添加時により強い発現を認めたが、Sprouty4 の発現では、有意な差は認めなかった。また、骨芽細胞内 (MC3T3-E1) の Sprouty2 と 4 の局在を調べるために、蛍光免疫細胞染色を施行したところ、Sprouty2 と 4 それぞれ細胞質内に発現を認めた 。
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今後の研究の推進方策 |
Sprouty/Spredが骨芽細胞にどのような働きをもっているかを解析するために、MC3T3-E1とSaOS-2にSprouty2,4のPlasmid vectorを強制発現させ、bFGF、BMP-2刺激した際の細胞増殖活性の変化をWST-8アッセイで調べる。骨芽細胞分化マーカーであるRunx2やALPの発現量をreal-time PCR法を用いてSprouty2,4強制発現群とコントロール群で比較検討を行う。 in vivoにおける骨リモデリングに対するSprouty2,4の機能解析を行うために、Sprouty2,4 それぞれの KO マウス大腿骨に滅菌生理食塩水注水下にてスチール製ラウンドバー(直径1.5mm)を用いて骨窩洞を形成し、WTと比較してSKYSCAN1172高分解能X線マイクロCTスキャナを用いて、治癒過程を経時的(処理後1日、5日、10日、 20日、30日、40日目)に観察する。また、WTマウスについては、骨再生機構におけるSprouty/Spredファミリーのタンパク発現を、大腿骨を採取し免疫染色法により調べる。
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