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2014 年度 実施状況報告書

転写因子Alx3による骨芽細胞分化促進作用の解明と骨造成への応用

研究課題

研究課題/領域番号 26861684
研究機関昭和大学

研究代表者

松本 貴志  昭和大学, 歯学部, 助教 (00635039)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードAlx3 / BMP2 / 骨芽細胞
研究実績の概要

①Alx3の発現誘導におけるシグナル伝達機構の解明として、BMP/Smad経路の阻害薬であるDorsomorphinの添加、および共役SmadであるSmad4の発現抑制により、Alx3の発現誘導が低下されることはあきらかとなっている。その他経路の可能性としてMAPKsにおける各阻害薬にて検討したところ、Smad経路に比べて著名な有意差は認められなかった。
②Alx3の共役因子の同定は、Alx3の機能を増幅させる上で重要である。さまざまな研究報告よりE47およびCart1を共役因子の候補とし、それぞれの強制発現ベクターを作製し、Alx3と共に遺伝子導入したところ、BMPによる骨芽細胞分化誘導能に差異は認められなかった。共役因子の解明に関して、既にCHIPマイクロアレイ解析より候補因子を探索する必要がある。
②Alx3が骨芽細胞を分化促進させる際、その標的遺伝子を同定することは、骨芽細胞分化を促進させる分子メカニズムの解明、さらには将来的に骨形成の促進を目的とした創薬の開発の際に重要であると考えられる。Alx3を高発現することのできるプラスミドベクターを用い、CHIPマイクロアレイを行い、Alx3と結合するタンパク質を網羅的に解析し、骨芽細胞分化促進に関連した標的遺伝子を同定した。標的遺伝子について、クロマチン免疫沈降法により、網羅的解析の再現性を確認した。
その後の展望として、Alx3のBMP活性促進因子としての臨床応用への可能性を検討する。Alx3を導入した多能性幹細胞を用いた骨内インプラントの骨結合促進法の基礎的研究として、Alx3遺伝子を発現するレンチウイルスベクターの作製、犬骨髄由来多能性幹細胞の選別およびAlx3遺伝子の細胞への導入、さらには犬脛骨への上記細胞を併用したインプラント埋入および各種解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度はAlx3の共役因子、および標的遺伝子の探索を主に遂行していたが、それぞれにおいて有効とされる候補因子の検討が難航している。優位に関与性が認められる因子を特定できれば、スムーズな研究遂行が可能であると思われる。

今後の研究の推進方策

Alx3の標的遺伝子の同定として、CHIPマイクロアレイによる網羅的解析の結果データより、現在さらなる候補因子を探索している。ここで挙げられた候補因子について同定実験を行っていく予定である。また、Alx3のBMP活性促進因子としての臨床応用への可能性を検討する。Alx3を導入した多能性幹細胞を用いた骨内インプラントの骨結合促進法の基礎的研究として、Alx3遺伝子を発現するレンチウイルスベクターの作製、犬骨髄由来多能性幹細胞の選別およびAlx3遺伝子の細胞への導入、さらには犬脛骨への上記細胞を併用したインプラント埋入および各種解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

本年度はAlx3の共役因子および標的遺伝子の候補因子探索が主な研究となったため、必要試薬や実験機材の需要が少なくなったため次年度使用額が生じる結果となった。

次年度使用額の使用計画

Alx3の共役因子についてはプロテインチップを用いた解析、および標的遺伝子についてはマイクロアレイを用いた網羅的解析について委託による解析について検討している。また、次年度は、Alx3の臨床的応用への可能性を検討するため多くの試薬が必要とされる。

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公開日: 2016-06-01  

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