研究実績の概要 |
本研究ではBMPにおける骨芽細胞分化のメカニズムの一端を解明するため、WNTシグナル経路、特にWNT阻害因子群に着目し、更なる詳細な分化メカニズムの解明とヒトiPS細胞から骨芽細胞へ分化させる際のより効率的な誘導条件の検討を行うことを目的とする。 本年度は正常ヒト歯周靱帯線維芽細胞hPDLFを使用し、骨芽細胞分化誘導培地(OBM)にて誘導を行った。このときOBMに、BMP2/7、DEXを添加した。リアルタイムPCR法にてWntシグナル関連遺伝子(SFRP1,SFRP2,DKK1,DKK2,SOST)の発現量を解析したところ、BMP2/7及びDEXの添加郡は非添加郡と比べWNT経路の阻害因子であるSOST,DKK2,SFRP2には顕著な発現の減少が見られた。またDKK2,SFRP2と拮抗作用を持つDKK1,SFRP1の発現は増加傾向にあり、互いに発現の調節を行っているフィードバック機構の存在が示唆された。またスクレオスチン(SOST)の添加により、BMP/DEXの添加によるアルカリフォスファターゼ活性の抑制が見られた。結果の検討を行うため、平成27年度は当講座で樹立した骨芽細胞分化の方法を用い、iPS細胞を用い骨芽細胞を獲得し同様の方法を用いて実験を行う予定である。
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