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2015 年度 実施状況報告書

ヒト歯髄細胞スフェロイド由来神経組織と漢方薬剤を用いた新規中枢神経再生法

研究課題

研究課題/領域番号 26861689
研究機関日本歯科大学

研究代表者

肖 黎  日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (80548256)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード歯髄由来細胞 / スフェロイド / 神経分化能 / 共培養 / HaCaT細胞
研究実績の概要

歯の発生過程において、歯胚における幹細胞は神経細胞、血管内皮細胞、支持細胞や機能細胞に分化し、最終的に機能歯を形成する。一方、成熟した歯髄組織には多分化能を有する神経堤由来幹細胞が存在する。この神経堤由来幹細胞は神経、血管内皮細胞、軟骨細胞や骨芽細胞に分化することができる。本研究では、歯髄由来細胞によりスフェロイド(DPC-SPHDs)を形成し、そのスフェロイドの多分化能を調べた。DPC-SPHDs多分化能の同定はqRT-PCR、免疫染色法及び電気生理学手法により行われた。DPC-SPHDsを石灰化培地中、matrigel上に2週間培養した後、DPC-SPHDsは自発的に神経様細胞、血管内皮細胞、骨芽細胞、軟骨細胞に分化したことが分かった。さらに、DPC-SPHDsを神経分化誘導を行った結果、DPC-SPHDsはグリア細胞に分化したものの、機能的な神経細胞に分化しなかった。しかしながら、DPC-SPHDsをヒト角化細胞HaCaTと共培養し、神経分化誘導を行ったところ、DPC-SPHDsは4週間後神経細胞マーカーやナトリウムチャネル、カリウムチャネルを発現し、活動電位を産生することが分かった。結論として、DPC-SPHDsは石灰化誘導後、自発的に数種類の細胞に分化した。神経分化誘導後、DPC-SPHDsは単独培養下でグリア細胞に分化した、HaCaT細胞との共培養下で機能的な神経細胞に分化した。(論文Spontaneous multi-differentiation and functional neuron conversion of dental pulp cells-derived spheroids on matrigel国際誌投稿準備中)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.歯髄細胞由来スフェロイドはHaCaT細胞との共培養により機能的な神経細胞に分化したことが観察された。
2.この研究結果をin vivoにおける研究に応用し、新規中枢神経再生法を開発することが可能になる。

今後の研究の推進方策

1.発育鶏卵を用いて歯髄幹細胞由来スフェロイド中枢神経組織整合性を観察する。
2.ヒト歯髄細胞由来スフェロイドより移植用の成熟した神経組織塊を作製し、低酸素・低栄養の環境に馴化した後、中枢神経組織損傷の修復に応用する。
3.三次元中枢神経損傷病態モデルおよびマウス脊髄損傷モデルを用いて、スフェロイド由来再構築神経組織塊の修復作用を検証し、損傷部位の微小環境改善に有効な漢方薬剤を開発する。

次年度使用額が生じた理由

in vitro及びin vivoにおける中枢神経組織損傷モデルの作製に関する研究を推進するため

次年度使用額の使用計画

上記の研究を実施する際、実験動物、試薬および手術器具を購入する

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Dental pulp cells-derived spheroids differentiated into functional neuronal cells under three-dimensional culture conditions2015

    • 著者名/発表者名
      Li Xiao*, Chikako Saiki, Ryoji Ide
    • 学会等名
      第57回歯科基礎基礎医学会学術大会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ(新潟県新潟市)
    • 年月日
      2015-09-13

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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