期間内に、唾液腺および膵臓由来の線維芽細胞にて検討した。体性幹細胞と唾液腺もしくは膵臓由来線維芽細胞の共培養により、幹細胞が生体に生着可能な唾液腺もしくは膵臓マーカー陽性細胞へと分化したという結果を得た。分化のトリガーとなる因子は特定できていないが、多臓器において、線維芽細胞が幹細胞の分化誘導材料と用いることができることは明らかとなった。今後の再生医療において、線維芽細胞が分化誘導材料として用いることができるならば、生体材料のみで分化誘導過程を行うことができ、細胞の遺伝子操作あるいは人工的サイトカインなしに安全な完全自家移植の新規組織再生医療の開発に寄与できる可能性がある。
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