近年、種々の自己血小板由来因子を創傷治癒に用いる取り組みがなされている。その中でも多血小板フィブリン(PRF)の利用は、創治癒促進や骨新生誘導目的に口腔外科領域でも報告例が散見される。本研究の目的はBP使用患者の抜歯時においてPRF填入を行うことで、その治癒促進効果を評価し、薬剤関連性顎骨壊死の発症予防効果を確認することである。結果として、PRF填入を行った全患者(ステロイドや免疫抑制剤使用も含む)で早期の抜歯窩治癒を認め、非填入群では一部に治癒遅延を認めた。本研究より、PRFによる経口BP製剤使用患者抜歯時の治癒遅延防止効果が確認され、さらには顎骨壊死発症予防効果の可能性が認められた。
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