研究課題
組織延長術を用い骨・骨膜間空隙の拡大により、細胞の足場が形成されていることに着目し、拡大された空隙に形成された足場に間葉系幹細胞を注入し、骨・骨膜間の空隙の拡大による骨増量法が促進されるか検討を行った。最終年度における研究成果としては、自己フィブリンゲルを作成し、細胞の足場を形成し、間葉系幹細胞を注入し、頭頂部に骨形成が促進されるか検討を行った。フィブリンゲルを併用した方が骨量、骨塩量の増加を認めた。ゲル作成の確立に時間を要したが、ゲル内に取り込まれた細胞数の確認を行い、生着していることが確認された。骨膜延長による骨増生法により、組織延長に伴い、骨膜下に拡大スペースが形成され、骨を誘導することが確認された。新たな組織延長装置の開発を行い、組織延長術が行われることを確認した。細胞の培養条件により、細胞が放出する成長因子が変化することを明らかにし、また、細胞とフィブリンゲルを併用することにより骨形成が促進されることが示唆された。施設の移動による実験環境を整えることに時間を要し、全体的に研究の進捗は遅れており、組織学的評価を完了させ、それらの報告を行う予定である。骨欠損部におけるインプラント埋入の前処置など、従来の骨移植術や 仮骨延長法より侵襲の少ない骨増生手法としての応用が期待されているが、骨量、骨質に劣ることが指摘されていたが、本研究により、間葉系幹細胞を用いることにより、骨増量が促進されることが示唆された。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)
Biological and Pharmaceutical Bulletin
巻: 39 ページ: 1549-1554
10.1248
