ヒトにおいて発生率の高い先天異常である口唇口蓋裂発症メカニズムにおけるアポトーシス関連物質のp53の役割について検索することを、本研究の目的とした。口蓋は、口蓋突起のinitiationに始まり、尾側への進展、舌上への挙上、水平方向への進展、正中での癒合という5つの形態変化で形成される。それら5つ全てのステージで、口蓋突起にp53のmRNAの発現を認めた。高率で口唇口蓋裂を自然発症する近交系マウスであるCL/Fr系統マウスと、そのCL/Fr系統マウスにp53欠損をさせたCL/Fr; p53マウスで口唇口蓋裂発症率に差があり、口蓋裂、口唇裂の発生部位とp53の発現部位に関連性が認められた。
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