本研究では、SCC7マウス口腔癌モデルを用い、ゲムシタビンの低用量投与を行った。担癌マウスの腫瘍はコントロールと比べて有意に増殖が抑制され、腫瘍細胞のアポトーシスが増強していた。摘出した担癌マウスの各種臓器の免疫細胞分布を解析したところ、腫瘍局所では、ゲムシタビンの投与によってMDSCとB細胞が有意に減少していた。腫瘍組織内では、樹状細胞上のCD80、CD86などT細胞共刺激分子群の発現が増強していることが確認された。低用量の抗がん剤を投与した担癌マウスの腫瘍細胞表面上においても、T細胞共刺激分子やVCAM-1やP-selectinなど、免疫細胞の接着に関わる分子群の発現が増強していた。
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