研究課題
癌細胞は浸潤能を有しており周囲正常組織に浸潤し、正常組織との境界が不明瞭となっている。癌の範囲を正確に診断することは予後に重要な因子である。 gGlu-HMRGは、それ自身は無色・無蛍光な分子だが、GGTと出会うことで強い緑色蛍光を発する分子へと変化する機能を持っており、GGT活性を持つ細胞を選択的かつ鋭敏に、短時間で蛍光染色できる画期的な試薬として報告された。gGlu-HMRGの有用性を細胞レベルと組織レベルで評価した。gGlu-HMRG添加後5分でNHEKと比較し口腔癌細胞株では2.4から7.6倍の蛍光を励起されていた.統計学的有意に(p<0.01)蛍光強度が高いことが認められた。スプレーから1-3分で腫瘍組織に蛍光が発現し、腫瘍の浸潤範囲の把握が可能となった。スプレー後25分後の結果で比較すると、gGlu-HMRGによる蛍光範囲は組織切片上の腫瘍範囲と22例中19例で完全に一致し、一部過剰発現が1例、一部不足が2例で認められた.蛍光プローブでの検出は特異度95%、感度86.4%であった。gGlu-HMRGは深部断端を非侵襲的かつ短時間で正確に取得可能である画像診断の一つであると示唆された。今後は腫瘍と正常組織とを区別するための基準を検討する予定である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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