研究課題
軟骨無形成症疾患特異hiPS細胞株(Ach-iPS a1およびb1)から胚様体(EB)を形成後、EBを接着培養をした。次に接着したEBから増殖した細胞を酵素処理により単一細胞に解離させ、さらに単層培養を行った。1週間の単層培養後、細胞を回収してペレット培養を行い、軟骨分化誘導培地へのCNP添加群/非添加群について比較を行った。1週、2週、3週のペレット培養後の組織を採取しアルシアンブルー染色、及び軟骨基質(グリコサミノグリカン等)の測定を行った。両群においてアルシアンブルーで濃染されたペレットを散見したが、、染色結果は継代数ごとにばらつきを認めた。継代ごとに測定した軟骨基質についても、3週間培養したペレットに検出量が増加する傾向を認めたが、有意性のある規則性は見いだせず、現在も試行回数を増やしながら検討中である。また、線維性異形成症(Fibrous Dysplasia)のヒト疾患特異的iPS細胞の作製に関する研究では、病変部の手術検体より細胞を採取し解析を行った。FD病変部位においては、GNAS遺伝子変異を有する変異細胞と有さない健常な細胞とがモザイク状態で分布しているとの報告がある。今回、病理組織切片の病変部から抽出したgenomic DNAにおいて201番目のArgの遺伝子変異の有無を確認した。そこでレトロウイルスベクターを用いて4遺伝子(Oct 3/4、Sox2、klf4、c-Myc)を導入することによりiPS細胞の作製を試みたが、201番目のArgの遺伝子変異を有するiPS細胞株を得ることは困難であった。そこで、現在はエピソーマルベクターを用いて遺6伝子(Oct 3/4、Sox2、klf4、L-Myc、LIN28、p53-shRNA)を用いてiPS細胞の作製を開始中である。
4: 遅れている
軟骨無形成症hiPS細胞の軟骨細胞分化誘導の組織染色、及び軟骨基質の測定結果より、有意性のある規則性は見いだせていない。今後、試行回数を増やすと共に、さらに成熟度の高い軟骨細胞が得られるよう、分化誘導系を改良する必要がある。線維性形成不全症はモザイク様の病態を呈しており、変異を含むiPS細胞の樹立に至っていない。多数のクローンのiPS細胞の株を樹立したにも関わらず、GNAS遺伝子に変異のある疾患特異的iPS細胞の樹立には至っていない。早急に疾患特異的iPS細胞の樹立に努める。
軟骨無形成症hiPS細胞における骨・軟骨細胞分化誘導におけるCNPの直接的な細胞への作用の検討を行うと共に、さらに成熟度の高い軟骨細胞が得られるよう、分化誘導系を改良する。また添加量(投与量)による影響も併せて検討する。疾患特異的iPS細胞(線維性異形成症モデル)の樹立を目指し、エピソーマルベクターを用いて遺6伝子(Oct 3/4、Sox2、klf4、L-Myc、LIN28、p53-shRNA)を用いた系で検討を行う。
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