研究課題
前年度に引き続き、線維性異形成症のiPS細胞樹立および正常iPS細胞と疾患特異的iPS細胞のモザイク率の検討や、骨・軟骨細胞分化誘導におけるCNP、BMPの直接的な細胞への作用の検討を行った。まず、軟骨無形成症の疾患特異的iPS 細胞の軟骨誘導を行った。前年度に継代数ごとに軟骨分化の成功率にばらつきを認めたため、従来の誘導培地にさらにいくつかの成長因子やホルモンを組み合わせ誘導法の改善を試みた。次に、歯科口腔外科領域の代表的な骨系統疾患である鎖骨頭蓋異形成症、線維性異形成症のヒト疾患特異的iPSを用いた病態解析を行う。疾患を制御する薬剤候補物質を探索することで、予防・治療へのアプローチが確立され、罹患患者に提供することを目指す。医の倫理委員会の承認を受け、京大病院ですでに研究がスタートしている「ヒト疾患特異的iPS細胞の樹立とそれに用いた疾患解析に関する研究」のプロジェクトの一つとして取り組んだ。研究参加の同意の得られた線維性異形成症の患者5人の病変部の手術検体より細胞を採取した。線維性異形成症の患者から多数のクローンのiPS細胞の株を樹立し、研究に必要な変異のないコントロール用のiPS細胞は多数確保することはできたが、変異のある疾患特異的iPS細胞の樹立には至っていない。
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Journal of Oral and Maxillofacial Surgery Medicine and Pathology
巻: 27(1) ページ: 106-111
10.1016/j.ajoms.2013.12.009