研究実績の概要 |
本研究の目的は、抗癌剤docetaxelとビタミンEのγ‐tocotrienolの併用療法が、ヒト口腔癌移植ヌードマウスに対する抗腫瘍効果を増強するか否かを、転写因子NF-κBとアポトーシス関連遺伝子の発現機構に基づいて明らかにすることである。本研究の成果は、口腔癌患者に対する癌化学療法による治療成績の向上に寄与するものた考えられる。 docetaxelとγ‐tocotrienolを併用することにより、in vitroにおいてヒト口腔癌細胞株B88細胞に対する抗腫瘍効果を増強するか否かの検討を行った。 (1)MTTアッセイ:各薬剤をGroup1:docetaxel(0.5 nM)、Group2:γ‐tocotrienol(50 μM)、Group3:docetaxel(0.5 nM)+γ‐tocotrienol(50 μM)として培養液中に添加し、B88細胞の細胞増殖能に与える影響を用いて評価した。(2)EMSA法:上記Groupについて、B88細胞のNF-κB活性に及ぼす影響について検討した。(3)Western blotting:上記Groupについて、アポトーシス関連遺伝子(Caspase-3,8,9、Apaf-1、cytochrome c)の発現、アポトーシス抑制遺伝子(Survivin、c-IAP1,2、XIAP、Bcl-2)の発現の検討を行った。(4)アポトーシスアッセイ:Hochst33258染色による、アポトーシス細胞の観察を行った。(1)~(4)の各項目につき、docetaxel(0.5 nM)単独群、γ‐tocotrienol(50 μM)単独群、docetaxel(0.5 nM)+γ‐tocotrienol(50 μM)併用群間においてMann-Whitney U testによる統計学的検討を行った。
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