エナメル上皮腫の増殖・分化については未だに不明な点が多い。以前、我々は叢状エナメル上皮腫のセルラインであるAM-1を用いて、細胞膜上にV-ATPase、ClC-7が発現しH+、Cl-をそれぞれ放出することで腫瘍周囲の骨を直接溶解することを明らかにした。その後の研究で、細胞外Ca2+濃度変化・RANKL投与により、細胞形態変化・増殖促進が促されることが判明し、詳細を実験・検討した結果、TRPV2、V3、V4、TRPM7チャネルが形態変化に関与するCa2+流入チャネルの候補として有力であり、またRANKL投与による増殖促進はNFATc1およびc2の発現上昇・脱リン酸化を介することが示唆された。
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