研究実績の概要 |
CCN3はCCNファミリー(CYR61, CTGF, NOVの頭文字に由来する)に属する分泌性タンパク質で、現在までに6種類のCCNファミリー分子(CCN1-CCN6)が知られている。本研究申請者はこれまでにCcn3 transgenic (Ccn3 Tg)、Ccn3 knockout (Ccn3 KO) mouseの骨再生過程を解析することにより、CCN3は骨再生過程の初期に発現が特異的に上昇することによりBMPのアンタゴニストとして働き、骨再生を抑制していることを明らかにした。それにもかかわらず、Ccn3 KOマウスと野生型マウスの表現型に差がないことから、CCN3の作用は他の因子で代償されている可能性が示唆された。そこで、本研究ではCCN3とそれに類似した構造を持つ 他のCCNファミリー分子の骨再生過程における発現と機能を解析し、骨再生機構の統合的理解を深め、その結果を新たな骨再生療法へ応用することを目的とした。 平成26年度はマウス大腿骨骨再生モデルを用いて、Ccn3 Tg、Ccn3 KO mouseの骨再生過程におけるCcn1, Ccn2, Ccn4, Ccn5, Ccn6などのCCNファミリーの発現とNoggin、ChordinなどのBMPアンタゴニストの発現を免疫染色で確認した。それにより、CCN3の過剰発現、欠失により、骨再生時のCCNファミリーやBMPアンタゴニストの発現が変動することをつきとめた。これらの研究成果をミシガン大学モイヤーズシンポジウムで発表した。
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