研究課題/領域番号 |
26861742
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
栗原 都 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40453170)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 口腔癌 / MIA gene family / 浸潤・転移 |
研究実績の概要 |
現在、口腔癌の腫瘍マーカーとしてSCC抗原、CEA、CYFRA等が用いられているが感度・特異度が高くなく、口腔癌特異的な腫瘍マーカーの検索は急務の課題と考える。 これまで、新規口腔癌関連遺伝子としてMIA gene family1を同定した。MIA gene familyは血管・リンパ管新生を誘導することで口腔癌の転移・浸潤を促進しすることを明らかにしてきた。また分泌タンパクであることから、口腔癌における有用な血清・唾液マーカーとしての可能性が期待される。 本研究ではまず口腔癌におけるMIA gene familyの発現機構や関連シグナルを明らかにするため、既に得ている網羅的遺伝子発現解析にて得たデータを基に、口腔癌細胞株に対してRT-PCRにて候補遺伝子の検索を行った。結果、既に報告しているVEGF family gene、PDGFBおよびMAPK経路との関連が示されたほか、リンパ管細胞のマーカーであるProx1や神経分化に関与する遺伝子(Neuropilin2, SOX2他)等、複数の遺伝子が候補に挙がっており、一部の遺伝子は実際にMIA gene familyにより活性化ないしは抑制されている。臨床検体を用いて、候補遺伝子とMIA gene familyとの関連については現在検討中である。 また臨床検体において、タンパク、血清におけるMIA gene familyの発現を検討中であるが、今後症例数を増やし解析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
MIA gene familyは分泌タンパクであり、唾液および血清よりMIA2タンパクを測定する計画であった。しかしサンプルの収集が予定より進行していないこと、検出方法に問題があるためか、検出が一定とならないため、タンパク検出法について検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
MIA gene familyのタンパクレベルを安定して検出可能な方法を検討すると同時に、サンプルの採取を進める。 MIA gene関連遺伝子候補をさらに絞り、免疫組織化学および in situ hybridizationを行い、MIA2 gene familyの変異の有無を検討することで治療のターゲットとなりうるかを検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画遂行の遅れにより次年度使用額が生じたと思われる
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次年度使用額の使用計画 |
物品、薬品の購入と研究成果発表における諸経費に使用予定である
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