代謝型グルタミン酸受容体 (mGluR) であるmGluR5が、末梢神経損傷後や慢性炎症により発症する異常疼痛に関与することが知られている。また、様々なmGluRサブタイプが癌細胞の膜上に発現し、その受容体を介したシグナルが癌細胞の増殖・分化に関与する可能性が示唆されているが、mGluR5の役割は不明である。そこで、本実験は癌性疼痛の発症・維持および癌細胞の増殖・分化のメカニズムを解明することを目的とし、頬粘膜癌モデルラットを用い、行動実験、免疫組織化学実験を行った。実験結果より、mGluR5を介したシグナルが癌誘発機械アロディニアおよび癌の増殖・分化に関与することが示唆された。
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