ラマン分光法にて、口腔扁平上皮癌の細胞レベルのイメージングを行った。サンプルは連続切片を作製し、一方をラマン分析に用い、他方をH&E染色し癌組織と癌細胞形態の確認をした。癌細胞の外径は10ミクロン程度で、ラマンスペクトル上の複数のピーク面積を反映したイメージングで、癌細胞形態を概ね表現することができた。 ラマン分析によるイメージングは、分子の種類や構造を半定量的に示しており、癌細胞のイメージは、ラマンスペクトル上の個々のピークが帰属する分子や分子構造の癌細胞内での局在を示している。サンプルに特別な処理をせず、一度の分析で多くの成分の癌細胞内での局在の分析が可能であることが示唆された。
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